《MUMEI》

珠季が宿題を始めて‥

20分。

そろそろ集中力が途切れてきたのか‥

「───────」

彼女は寝かかっている。

「珠季」

「‥ぇ」

「このプリントが終わったら少し休憩しようか──」

「ぃ‥いーよ別に‥アタシ今日中に終わらすって決めたんだから」

「───────」

本当は眠たいのに──

強気な珠季はそれを僕に悟られまいとしている。

「ふぁ‥」

「眠たいんじゃないか?」

「ちッ‥ちげーよっ‥」

欠伸を噛み殺すようにしながら

珠季は漢字の書き取りを続ける。

今までに無く

真剣な表情をしているのは──

たぶん

僕が隣りにいるからなんだろうな──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫