《MUMEI》

どう考えても僕らは

恋人らしい恋人じゃない訳だ。

たまになら分かるけど──

毎日喧嘩になるカップルは

そうそういないだろうな──。

「っし終わったぁ♪」

「!? もう終わったのか‥?」

「へっへーん、オマエがボケッとしてる間にやっちまいましたよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

幾ら何でも早過ぎる。

珠季──

もしかしたら僕よりずっと上なんじゃないか‥?

「んっと、次は──‥‥‥」

「どうしたんだい‥?」

「数学とかマジ有り得ねぇ‥」

「これはさっきみたいには行かなそうだね──」

「うっせーなぁ‥オマエ邪魔すんなら──」

「ぃゃ、邪魔をしているつもりは無いんだけど‥」

邪魔に‥

なっているみたいだな‥。

僕がいなくても

彼女はちゃんと出来るみたいだし‥。

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