《MUMEI》 (あ…ありえん! …手札に「萩」を持っていたなら何故「鹿」を先に取った!? …この女は最初から場を支配していたとでも言うのか?) 兼松は、芸妓の意図を量りかね錯乱した…。 (しかし何の為に!? …そのまま「猪」を取っていれば、〆華の勝ちではないか!?) 兼松は混乱する思考の中で、先ほど兼松が道風会の男らに連れ去られそうになったとき、〆華が助け舟を出してくれた件を思い出した。 (まさかこの女…… …本気で儂を救おうとしておるのか!?) 兼松は、目を閉じて尊居する〆華の顔を見上げた…。 前へ |次へ |
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