《MUMEI》
魔女との戦闘(ハンドVS想花2
が・・
「焼け消えよ。」
一言、ハンディングが言葉を発す。ハンディングの周囲の気温が瞬間的に灼熱と化す。自分の周囲の気温を一瞬で跳ね上げ焼き払う、迎撃にも使われるフレイムサークル。炎系の第6位防御魔法である。
周囲の水が蒸発、水蒸気が視界を悪くする。
想花は、一瞬迷うが、そのまま詠唱に入る。
(全方位カウンター系の術なら・・迎撃できるはず。)
「風を織り数多の場所を駆け抜ける精霊シルフよ・・」
詠唱をしながら眼を凝らす。
「新緑の風・・鋭き刃、風を織り成して・・」
詠唱を続ける。
危ない、何故か解らないがそう感じ、横へと飛ぶ想花。
(何・・この感じ・・)
その直後、風が強く吹き、視界が戻り始める。
悠然と佇むハンディング。周囲の魔力が異常なほど凝縮され形を持たぬ圧力を持ち始める。
「くっくっくっく・・」
ハンディングの笑いに反応するように周囲で風や炎が発生しては消えていく。
「攻めてこぬなら我が攻めるとしよう・・耐えて見せよ!」
フードの内側から紅い色彩が煌く。
その言葉に答えるように、ハンディングの前面に魔法陣が多重展開、3種類の魔法が発動する。
ハンディングの右側からは雷系第5位ライトニングスプレッドによる14条の雷が疾走。
左側からは無系第4位バニシングブロウによる空間の歪みが飛ぶ。
最後にやや高い位置に展開された魔法陣から氷系第5位アイシクルブレイザーが解き放たれ数百のツララが拡散、想花に向かい収束していく。
「そんな・・・」
呆然と呟く想花。
詠唱破棄による精霊術の発動。本来できるはずの無い発動方法だが、例外的に発動させることが可能な方法は幾つかある。精霊本体との直接契約により自分の力を認めさせること、周囲の精霊のマナとの対話し使役する方法、最後に、力によって強引にねじ伏せ使う方法がある。
殺到してくる三種類のスキル。
魔法使い、後衛職では避け切れるものでは無い、そう判断し防御を固める想花。

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