《MUMEI》

──あいつが、

あたしの事応援してくれてる。





それだけで、

不安とかモヤモヤしたもんが吹っ飛んじまった。





「おーい!」

「‥‥‥ぇ」





知ってる声。





「センパイ‥」





‥センパイだ。





服部センパイだ‥。





「怪我しねーよーになー?」

「しっ‥しねーよっ」





何だよ怪我しねーよーにって‥。
怪我なんかしねーっつの‥。





つーか何でセンパイまで来てんだよ‥。





もう藤澤センパイと付き合ってるってのに‥。





「緋色ーっ、始まるよ早く早く〜!」

「ぁ‥‥‥おうっ、今行く!」





‥気にすんな。





センパイはセンパイとして応援しに来てくれたんだから。





今はただ‥


センパイと後輩‥

そんだけの事‥。

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