《MUMEI》

「あははっ、面白いねー綾瀬君♪」

「ぇ‥、そう‥ですか?」

面白い

なんて言われたのは初めてで。

何だか

気恥ずかしくなった。


「そだ、あたし自己紹介まだだったよね? 珠歌っての。宜しくねっ」

「たまか‥さん‥?」

「変わってるっしょ〜、何かねー、父さん達どーしても珠って字使いたかったんだって」


「そうなんですか」

「ぁ、珠季に勉強教えてくれてたんだぁ、さっすが♪」

「ぃ‥いえっ、僕は殆ど何も‥。珠季が自力でやったんです、本当に‥」

「は? 何言ってんだオマエ」

珠季が

反論してきた。

「何だってそうオマエは‥」

「ほ‥ほら、行こう」

「!? おいこらっ‥引っ張んなッ」

「あれ、どっか行くの?」

「済みません、少しデー‥気晴らしを‥」

「ハイハイ、行ってらっしゃーい♪」
 

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