《MUMEI》

「なぁ‥‥‥まだなのかよ」

痺れを切らした珠季が

囁いた。

「つーか何が始まんだよ‥‥‥UFOでも来んのか‥‥‥?」

「かも知れないね──」

冗談半分で言ったら。

「!? おまッ‥マジかよ!?」

「冗談だけど」

「なッ‥」

「UFO程凄くは無いけど──いい物だという事は補償するよ」

「‥‥‥?」

珠季は難しい顔をして

それが何なのかを当てようとしている。

けれど

分からないみたいで──

「はぁっ‥」

大きな溜め息をつくと

夜空を見上げた。

星明かりに照らされた珠季の横顔に

何だかドキリとさせられた。

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