《MUMEI》

──眩しい。

──何故だ‥?

──何故こんなにも眩しいんだ‥?

「───────」

「おい?」

「ぇ」

「何だよオマエ」

「なッ‥何でもないっ‥というか離れてくれッ」

「ぁ‥?」

「ぃゃ、何でも‥‥‥」

「‥‥‥?」

珠季が

覗き込んでくる。

暗がりなものだから‥

近いのかそうじゃないのかがいまいち良く分からない。

けど‥

彼女は幾ら何でも

無防備過ぎはしないか‥‥‥?

「‥!?」

‥爆発音。

ぃゃ‥

花火の音だ。

いつの間にか‥

始まっていたらしい。

花火大会が──。

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