《MUMEI》

珠季は彼女。

僕は彼氏。

だから

何もためらう事なんか無い。

カップルなんだから。

手を繋いで何が悪い?

みんなやっているじゃないか。

当たり前のように。

ならば

僕が彼女の手を握って何が悪い?

何も

悪くなんて無い筈だ。

そうだろう‥?

なら

何故ためらうんだ‥?

──ほら。

彼女は

すぐ隣りにいる。

彼女の手は

すぐ側にある。

「───────」

‥2センチ。

‥1.5。

‥1。

‥0.5。

‥0.‥‥‥

「ぁ、そーいや──、?」

休み時間──

何か喉渇いて自販機に向かったら。





「──桜庭君」





星先輩の声。





「どしたんすか?」

「ぁぁ‥、さっき君を見掛けて──」

「はぁ」

「何かまた──悩んでるみたいだったから」

「ぇ、ぁ、ぃゃ──別に大丈夫っすよ?」

珠季は彼女。

僕は彼氏。

だから

何もためらう事なんか無い。

カップルなんだから。

手を繋いで何が悪い?

みんなやっているじゃないか。

当たり前のように。

ならば

僕が彼女の手を握って何が悪い?

何も

悪くなんて無い筈だ。

そうだろう‥?

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