《MUMEI》 『私が何をしたいか、お分かりですね? …もう、札は伏せられましたか?』 〆華は、瞳を閉じたまま口を開いた。 『い…いや…まだだ…。』 兼松は急かされるように、場の2枚の札……「萩に猪」と「萩のカス」を裏返しに伏せる。 そして3度4度と入れ替えた。 慌てて混ぜたため、兼松自身もどちらが「猪」か分からなくなってしまった。 荒くれ男達の手前、覗き見ることも出来ない。 『(糞ぅ)…もういいぞ…。』 兼松は悔然とした表情で発した。 前へ |次へ |
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