《MUMEI》

つくづく‥

僕は何をやっているんだか‥。

簡単な事だ。

彼女の手を握ればいい──

それだけの事なのに。

怖じ気付いてしまっている自分が情けない。

「──────‥」

もし僕が珠季なら──

何の戸惑いもせずに‥。

戸惑いもせずに‥?

──そうだろうか。

彼女だって

上がる時はかなり上がる。

普段は強気にしているけれど──

でも本当は

繊細で──

無邪気で。

まだ

彼女の全てを把握している訳じゃないけど‥

大体は分かる。

まだまだ

知り足りない事ばかりだけどね。

けれど──

焦らない事にしよう。

その方が──

楽しい気がするから。

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