《MUMEI》

珠季は‥

気付いていないんだろうか‥?

ぃゃ‥

そんな筈は無い‥。

──気付いている。

なのに‥

反応が無い。

‥何も。

身動ぎすらしない。

眉1つ動かさない。

人形のように‥

ただ

ジッとしている。

「珠‥‥‥季」

耐え兼ねて

名前を囁く。

返事は‥‥‥

無い。

‥どうしたんだろう。

珠季──

どうしたんだ‥?

やはり‥

まずかったか‥。

──けれど。

手を放そうとして

気付く。

離れない。

ぃゃ‥

放してくれない。

珠季が。

しっかりと。

僕の手を

握り返していたから。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫