《MUMEI》 「──シズル」 「‥?」 「──っと──‥」 「珠季‥?」 「あんがとな、色々」 「ぇ‥?」 「今日、色々世話んなったから」 「お礼には及ばないよ、というか──有り難うを言うべきなのは僕の方さ」 「言わなくていーから」 「そうかい‥?」 「そーだよ。つーか、もう最後の1発上がるみたいだぜ」 「ぁぁ──」 僕は答えて 珠季の手に触れた。 珠季はそれに気付いて 一瞬僕を見たが── 何も言わずに視線を夜空に戻した。 「───────」 沈黙。 ──静かだ。 何か話し掛けてみようとした その時だった。 前へ |次へ |
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