《MUMEI》

晶代は十四で嫁ぎ二児を産み、長男は歌一(うたいち)、次男は三次(みつじ)と名付けた。

夫の事業は順調で、其れなりに裕福な暮らしで或った。
歌一は才能が有ったのか夫に良く連れ立っては仕事を学び取り、歌一が卒業して直ぐに引退し、社長の座を譲った。

三次は歌一と四つ違いで兄より自由奔放に育てられたせいか頼りなげな印象が否めない。
しかし三次は学校でも優秀で、決して歌一に劣ったりなぞしていない。
長子として歌一は完璧過ぎた。


だから、歌一は気違いなのだ。

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