《MUMEI》 菩薩のようだった〆華の表情が、一瞬、般若のように殺気立った。 この時点で〆華に残された可能性…… 兼松は、ようやく9分の1の確率に気づいた。 『まさか…!』 兼松の目が座布団の上に伏せられていた、もう一枚の札(萩)に釘付けになる! 〆華は静かに返しの札を捲り、暫時見つめた…。 そして徐に兼松に目配せする…。 『おぃ…嘘だろ?……。』 うろたえる兼松の声を打ち消すように、〆華は渾身の力を込めて、その札を場に叩きつけた! 前へ |次へ |
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