《MUMEI》

菩薩のようだった〆華の表情が、一瞬、般若のように殺気立った。




この時点で〆華に残された可能性……



兼松は、ようやく9分の1の確率に気づいた。



『まさか…!』



兼松の目が座布団の上に伏せられていた、もう一枚の札(萩)に釘付けになる!



〆華は静かに返しの札を捲り、暫時見つめた…。





そして徐に兼松に目配せする…。





『おぃ…嘘だろ?……。』




うろたえる兼松の声を打ち消すように、〆華は渾身の力を込めて、その札を場に叩きつけた!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫