《MUMEI》

何故か僕‥

ヤドカリが非常に苦手なんだ。

‥やれやれ‥。

「おーい、濡れんぞ?」

「ぇ‥‥‥、ぅわあッ」

何故波がこんな所まで押し寄せて来るんだ‥!?

「ははっ、オマエほんっと面白ぇ」

「そ‥そんなに笑う事無いだろう‥!?」

かなり取り乱している僕を見て

珠季はまだ笑っている。

そんなに面白いんだろうか──。

「笑い過ぎじゃないか‥?」

「ははっ、ぁ〜悪ぃ悪ぃ‥」

「──────‥」

「怒んなって」

「ぃゃ──怒ってはいないよ、只──」

「ん‥?」

「向こうにも行ってみよう」

「ぅおいっ‥!?」

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