《MUMEI》

「──珠季?」

「‥あれ‥‥‥無人島か‥?」

「たぶんそう見えているだけだろうけど──」

「だってあんじゃんかほら」

「───────」

「何でそんな呆れたみたいなツラすんだよ」

「ぃゃ、呆れている訳じゃ‥」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「ぁ‥‥‥その‥」

どう弁解すべきなんだ‥?

「‥た‥珠季、‥‥‥」

「ぁ!」

「っ!?」

「何だっけかあの鳥──」

「か‥鴎‥だと思うよ」

「カモメ‥?」

「ぁぁ」

「ふーん」

大して興味なさそうに

珠季は呟いた。

それから屈み込むと

何かを見つけたのか──

水の中に手を突っ込んだ。

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