《MUMEI》
クラス替え
今宵と歩雪の通う学校には、生徒たちで賑わっていた。
クラス替えだ・・・。
歩雪君と一緒のクラスになれますように!!
今宵は新しいクラスに分けられた自分の名前と歩雪の名前を探すべく、掲示された表を見ようとした。
み、見えないっ!!!
やはり皆考えることは同じようで、掲示された表の前には人だかりが出来ていた。
「歩雪くん!!見える!?」
今宵は隣であくびをしていた歩雪に尋ねた。
「見えない」
「目を瞑ってるからだよ!!」
「あくびしてたんだからしょうがないじゃん」
今宵のじっと見つめる視線に歩雪は耐えられず、溜息をついて人だかりに近づいた。
歩雪は平均身長よりも高めであるので、すぐに目当てのものを見つけられたようだった。
「オレC組」
歩雪は今宵の方に戻っってくると、伝えた。
「え、わ、私は!?」
「聞かなくても分かるでしょ。毎年のことなんだから」
え・・・ってことは・・・。
「あたしもC組!?」
「どうなったら毎年同じクラスになるんだろ」
今宵と歩雪は幼稚園の桃組から始まって、今の3−C組まで決まって同じクラスになったのだった。
2人はいわゆる『腐れ縁』であり『幼馴染』であった。
「歩雪くんと同じクラスでよかった〜!!」
「オレは気苦労が絶えない」
「何それ!?」
私はまた一緒のクラスで嬉しいのに・・・。
しかも何の苦労してんの!?
「ほら、行くよ」
「あ、待ってよ!!」
校舎に入っていく歩雪の後を、今宵は慌てて追いかけた。
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