《MUMEI》

「君ッ‥お嬢様に気があるのかっ!?」

「気があるっつーか、マジで打ち抜かれたっつーかで──」

「君っ、ゎ‥分かっているのかっ!? 執事がお嬢様を好きになるなんてっ‥」

「そういうお前も何か最近──」

「ぅ‥煩いっ、僕は断じて‥」

「‥どーでもいーけどもうちょっと静かにしろよ、丸聞こえだぞお前らの声」

「「どわぁッ!?」」

「‥桜庭ならともかく‥佐久間もそーゆー反応すんだな‥」

「なッ‥、何故君がここに──」

「‥何となく」

「何だその曖昧な返事はっ!?」

「‥ダサメガネのお前に言われたかねーよ」

「何だとっ!? この眼鏡のどこがおかしいと言うんだっ」

「‥だって今どき黒縁かよ」

「ぃ‥、一番自分に似合う物を選んだんだっ、それにっ‥君に僕のセンスをとやかく言われる筋合いはないねっ」

「‥とやかくなんか言ってねーよ」

「言ってるじゃないかっ、というか君はそれでも執事なのか‥!?」

「‥そーだけど。つーかお前完璧キャラ変わってんぞ」

「君のせいじゃないかっっ」

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