《MUMEI》
ごまVS刀と弓
その頃、ごま達3人は・・
森の中に居た。もちろんこれもクリエイトフィールドによって作成された擬似空間である。
「よしっと、さてさて〜修行始めるきゅ〜。」
楽しそうに鼻歌交じりで2人と対峙するごま。
8メートルほど離れた地点に式夜と琴が立っている。周りには木が茂り、ごまと2人の間にも数本の木が立っている。
「琴と言ったな。ごま副団長の防御力を考えると、中途半端な攻撃は無意味だ。急所狙いの一撃、もしくは打撃力の高い技を使え。前衛は私がやる。」
「了解。最善を尽くす。」
2人の会話が終わったのを見計らってごまが大きく剣を振り、肩に担ぐように構える。彩詩との試合の時に使用していた剣、グランディアスと言う名の両刃の大剣である。
「さぁ、始めるよ。先手は譲ってあげるからがんがん攻めてきてね〜」
お気楽な口調こそ変わっていないが瞳には真剣さが見て取れる。
腰の刀に手を沿え、軽く前傾姿勢を取る式夜。その背後で弓を構えている琴。
「行くぞ、夕凪」
刀に声をかける式夜。
「承知。参ります。」
声が刀から響く。
ハンディングから譲り受けた刀、夕凪(ユウナギ)は霊剣と呼ばれる刀で刀身に風の精霊を宿している。精霊を武器に宿す技術は発達しているが極めて高価で一般には出回っていない。
「おぃおぃ・・マジかよ。霊剣とか初めて見た・・」
「無駄口を叩くな。」
足に魔力を収束させ、刀を持つ右手にも魔力を収束させながら式夜が少し誇らしげに言う。
「了解。んじゃ行きますか!」
声と共に一斉に6矢を放つ。それぞれに魔力を付与し打撃力を強化してある。
「スプレッドアローか。彩を相手にしてるみたいだね。」
向かってくる矢を見極め、剣は振らずに左手を大きく振る。
ただそれだけの動作、魔力によって強化された拳圧が矢を絡めとり地面へと打ち落としていく。
と・・矢を眼くらましに瞬動により接近していた式夜がごまに対して刀を抜き放つ。居合い、そう呼ばれる緋桜ノ国の剣術である。
肩に担いでいる剣を右手一本で振り、式夜の一撃を迎撃する。
キィィン!
澄んだ金属音が響く。
「中々速くなったね〜」 「夕凪!!」
視線が近距離で交錯、ごまが言葉を発するのと同時、式夜が刀の力を解放する。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫