《MUMEI》

全ての質問に対して

僕は

大丈夫と答えた。

何より

珠季に安心して欲しかったし──

本当に大丈夫だから。

「ご心配どうも有り難う」

「バッ‥誰が心配なんか‥」

あからさまに照れていると示すような反応。

「なっ‥何だよガン見しやがってッ」

「し‥失礼──そんなつもりはなかったんだけど‥」

「『なかったんだけど‥』って今オマエ明らかにガン見‥」

「──済まない」

見つめられるのが苦手なのは

僕も同じだ。

けれど

見つめる方は‥

意外と平気だったりする。

というか──

君が僕の視線を奪うから‥。

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