《MUMEI》

もっと積極的に乗るべきだったな‥。

「──────‥」

「──綾瀬君?」

「ぇ」

‥麻木‥?

「久し振りだね──。珠季と一緒?」

「ぁぁ‥今彼女は向こうに行っているけどね」

「ゎ、綾瀬君そのサングラスかっこいいっ」

「‥ど、どうも‥」

まさか

こんな所で麻木に会うとはな──。

「君も海水浴に‥?」

「ううん、図書館寄った帰りなんだ──。後ろ姿が見えて、綾瀬君かなって思って」

「そうだったのか‥」

「どうかしたの?」

「ぁぁ、ぃゃ、何でもないよ」

麻木に迷惑を掛ける訳にはいかない。

「ぁ、珠季戻って来たっ」

「ぇ」

──本当だ‥。

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