《MUMEI》

「知るかよッ」

「──だから何故──」

「んぁ"ーッもォ何でもいーだろ‥?」

「そういう事にしておこうか──。せっかく綺麗な夕焼けが見える場所にいる訳なんだしね」

浜辺で夕焼けを見るなんて──

僕は滅多に出来ないし。

「なぁ、あの太陽って海に沈む‥訳じゃねーんだよな‥?」

「ぇ」

「ぁ?」

「海には沈まないさ。‥というか‥知らない‥のか‥?」

「知ってるも知らねーも‥」

「──────‥」

「ッ、呆れんなよ。つーかマジで言ったと思ってんのか?」

「‥ぇ」

‥冗談‥

だったのか‥?

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