《MUMEI》 「ふぁ‥」 珠季が 小さく欠伸をした。 「眠っ‥‥‥」 目を擦って 眠気を払うように頭をブンブンと振る。 「今何時なんだ‥?」 「もうすぐ9時だな──」 「ふーん‥‥‥」 「帰ろうか」 「いんや」 珠季は頷かなかった。 ただ1言そう言って 僕の隣りで目を細める。 彼女の視線の先には 瑠璃色の空。 それを見ながら僕も 綺麗だと思う。 「───────」 本当に 綺麗な瑠璃色だ。 「なぁ‥?」 「何だい?」 「っと‥」 1度 言葉を区切る。 珠季は 息を吸い込むと長々と溜め息を付いてから また口を開いた。 前へ |次へ |
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