《MUMEI》 . 4月某日……。 桜の花びらが、ひらひらと舞う、その校門にはたくさんの生徒たちが、真新しい制服に身を包み、ひしめき合っていた。 これからはじまる高校生活に、胸をおどらせながら。 −−−そして、わたしも、その中のひとり。 背筋をぴん、と伸ばして、スーパーモデルよろしく、校舎へむけてしゃんしゃん歩く。 すれ違う生徒たちが、次々と振り返る。羨望の眼差しを、わたしにむける。 「ねぇ…あの子、モデルかな」 「すっげ、かわいくね?」 「ヤバイよ、格が違いすぎ」 「新入生?大人っぽ〜い!」 口々に呟く、彼らの言葉に、わたしは内心ほくそ笑む。 ……そうでしょうとも。 わたしは、あなたたちとは違うのよ! . 前へ |次へ |
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