《MUMEI》
ハプニング
自慢のロングヘアーを、これみよがしにばさっとなびかせた。
そのわたしの仕種に、ふたたび男の子たちの視線が集まる。
女の子たちは、おもしろくなさそうにふて腐れつつも、わたしの存在が気になってしまうのか、チラチラと卑屈な視線をむけていた。


……あぁ。
なんともいえない、この優越感!!


わたしはその空気に、ひとり、酔いしれていた。




そのとき………。




−−ドンッ!!

「きゃぁっ!」

ものすごい勢いで、わたしの背中に《なにか》がぶつかり、バランスを失ったわたしは、なすすべなくそこに倒れ込んだ。

その拍子にわざと短くしていた制服のスカートが、ヒラリとめくれあがる。


「おぉっ!?」


周りに群がっていた、男の子たちが興奮したようにどよめきだす。わたしのお尻の方を見つめながら。
女の子たちは、一瞬呆気にとられていたが、そのうち…プッと吹き出して笑い出した。
.

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