《MUMEI》

.

さぁっ…と、一斉に血の気がひいていく。



……待って!

待て、待て、待てまて!ちょっと待て!!

少し、頭の中を整理しようか。ヨシ、そうしよう!!

えーと、まずは…。

今日は待ちに待った、高校の入学式。
そうだ、これからセレモニーが始まるんだ。


わたしはこの日に賭けていた。


今日一日のふるまいで、わたしの一生が決まると言っても過言ではない、大切な、大切な日。


丁寧に髪をブローして、ナチュラルメイクに、せっけんの香りがするコロンをひと吹き。

シワがないかどうか確認して、制服に腕を通した。

……身支度は、カンペキ。

わたしは、校門をくぐって、みんなの注目をあびながら、気分が良くなって、キャットウォークをして、そしたら《なにか》が背中にぶつかってきて、ついよろけちゃって。

それで。



………………それで?



.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫