《MUMEI》

心そこに有らずと謂うような舞いだ。
突然、彼女は舞台のから飛び降りて消えて行く。
向こうは森の方角で川とは反対側だ。

ぼくも追うことにした。


「待って、待ちなよ君!」


「離して、先生が!」

掴んだ手は小さかったが、恐らく声色から判断すると彼は姫では無い。


「ぼくも、人を探している。君は誰を探しているんだい?」

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