《MUMEI》

エイジくんが私に優しいと皆が言っているって聞いたけど、それは私が修くんの妹だからだ。

修くんは「エイジは信頼出来る奴だ」っていつも言ってるし、修くんの周りに沢山いる仲間の中でも一番可愛がっているのがわかる。




「由佳」

突然呼ばれて振り向くと将がニコニコしてる。後ろには、エイジくんが黙って、いつもみたいに少し顔を斜に向けて立っていた。

「将」

将は、修くんの仲間の中でも私と同じ歳で話しやすい。修くんは私が修くんの仲間と話しをするのを嫌がるけど、将だけは別みたい。私達が話してても、笑いながら見てる事が多い。

「エイジくんこんばんは」

「迎えに来た。行こう」

エイジくんは挨拶には答えてくれず、ボソッと言った。

最近、バイトの帰りに誰かが迎えに来てくれる事が多い。修くんに聞いてもあまりちゃんと答えてくれない。

だけど今日はバイトの帰りに友達のプレゼントを買おうと思っていた。

「でも…今日は予定があるから一人で帰る」

せっかく来て貰ったけど、今日買わないと間に合わない。

将がちょっと困った顔でエイジくんを見上げる。

「何?予定って」

エイジくんの威圧感のある話し方には最近慣れたけど、やっぱり少し萎縮する。

「あの…友達のプレゼントを買わないといけないの」

何故だか将の顔を見て答えてしまった。

「乗って」

有無を言わさない口調で駐車してあるエイジくんの車を顎で指す。

「でも…」

言いかける私の腕を掴んでエイジくんが車に乗せようとした。

「ちょっ…」

「エイジさん!」

将もエイジくんの強引な行動に驚いている。

私は引きずられるように、エイジくんの車に乗せられた。

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