《MUMEI》 「大キライと大好きって──裏返しなのかもな」 「ぇ」 僕は一瞬 ポカンとした。 大嫌いも 大好きも── 表裏一体だと 彼女は言いたいらしい。 「だって結局アタシらって──好きって言えねーでキライっつってた訳だろ?」 「ぁぁ」 「ならやっぱ──そーゆー事になんじゃね?」 「そうだね──」 そうかも知れない。 ──うん。 きっとそうだ。 「不思議なものだね、何とも──」 「まーな──」 苦笑して 珠季が言った。 「でもさ、アタシらツイてたっちゃツイてたよな」 前へ |次へ |
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