《MUMEI》

【霖堂】

──霖堂家の前。

朝ここを出発したのだから

僕らはほぼ1日中

海にいた事になる。

全然

そんな気はしないんだけどね──。

まだ

数時間しか経っていないような気がする。

それだけ楽しかったんだろうな──。

「じゃあまたなっ」

「ぁぁ、お休み。いい夢をね」

「オマエもな?」

「どうも」

自然と

笑みが零れる。

けれど

あまり笑っていると珠季に誤解をされ兼ねないから

表情を悟られないように背中を向けた。

それから

まだ高ぶっているテンションのまま

家路を急いだ。

その間

僕は思い出し笑いをせずにはいられなかった。

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