《MUMEI》 結論「昨日、俺、長谷川に謝られて、その後話したんだ」 「そうか」 俺に謝るようメールした真司に驚いた様子は無く むしろ、ホッとしたような顔をした。 「で、俺の結論なんだけど、二人はバカだと思う」 「え?」 「お互い言葉が足りなすぎ。態度で示してるつもりだろうけど、言わなきゃわからないぞ」 「…何を?」 俺の言葉に真司はずっと不思議そうな顔をしていた。 (何でわからないのかな?) 昨日、長谷川も同じ顔をしていた。 (簡単な事なのに) 「長谷川」 俺は、長谷川に 昨日、俺にした説明を真司にもするように促した。 「瑠美?」 「真司。あのね… 私は、サッカーをしてる真司が一番好きなの」 「は?」 真司の最初のリアクションは、俺と同じだった。 「真司をずっと見てたから、真司が何よりもサッカーを優先させる事も、将来サッカーで生きていきたい事もわかってた」 「…」 「そんな真司が、私は好き。 だけど…」 「だけど?」 「不安だったの。私は真司を支えたいのに、真司についていきたいのに、何もできないし、かえって邪魔になってたから」 前へ |次へ |
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