《MUMEI》 「今まで何ともなかったのに‥‥‥何なんだよ一体っ‥!」 「珠‥」 「っ‥‥‥」 「‥‥‥‥‥‥‥」 こんなに取り乱した珠季は 見た事が無い。 何も恐れるような素振りを見せなかった彼女が こんなにも震えている。 まるで‥ 珠季じゃないみたいだ。 「大丈夫──僕が君の側にいる」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「だから──」 「‥‥‥‥‥‥‥」 珠季は 何も答えない。 ただ 黙って‥ 俯いて。 窓の結露のように‥ 彼女の頬を涙が伝う。 僕は どうすべきなのかが分からなかった。 とにかく 彼女を安心させてやらないとと思っているのに‥ どうすべきなのかが分からなかった。 前へ |次へ |
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