《MUMEI》

兼松は口の中を切り、赤い涎を垂らした。



もはや暴虐を受けた男達を睨み返す気力も残っていない…。




すると、その時…



菖蒲の間の外から何やら話声が聞こえてきた。



年輩の女性の声だ。



どうやら騒ぎを聞き付けた一般客らが「何事か?」と菖蒲の間を取り巻いているようだった。



『誰か!…け!警察を呼んでくれ!!』



兼松は"生"か"死"かの究極のニ者択一を迫られ、消去法に基づく損得勘定から、一般客らに助けを求めた。





だが…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫