《MUMEI》

珠季にも‥

僕と同じ事が起きているんだとしたら。

あの不安を‥

恐怖を‥

感じているんだとしたら。

‥何とかしてやらないと。

「珠季‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「僕が何とかするから」

「‥‥‥どー‥すんだよ」

「不安や恐怖を無くせばいい──」

「‥どー‥やって‥」

「──ちょっといいかい‥?」

僕は

珠季をおぶって歩き出した。

滑り台の脇を抜けて

ブランコとシーソーの間を通って‥

ジャングルジムの側に来た。

微かに

風が吹く。

珠季は

空ろな目をして‥

何処を見るでも無くぼんやりとしていた。

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