《MUMEI》 「‥恐い」 ‥ボソッと呟く声がした。 「アタシ‥どうしちまったんだよ‥」 「不安定な時期なんだ。君だけじゃない──僕だって‥」 「‥オマエは違ぇだろ」 「違わないよ──本当に僕にもあったんだ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「だから‥」 だから安心して欲しい。 「‥‥‥アタシ‥」 「‥?」 「アタシ‥‥‥」 「──何も言わなくていいよ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「言葉で言えたら苦労はしない──言えないから余計に恐くなる」 ──表現出来ないんだ。 どう恐いのか‥ 何が恐いのか。 とにかく ‥恐い。 漠然とした不安。 それが‥ 波のように襲って来る。 前へ |次へ |
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