《MUMEI》

──屋上。





2人でここに来るのは久し振り‥。





「あの‥、芙原さ‥」

「流センパイに‥ケリ付けてきたから」

「ぇ」

「まだ好きだ。好きだけど‥‥‥でも、あたしはお前の事も嫌いじゃない」

「‥芙‥原‥さん‥?」





僕に背中を向けて、

風に髪を靡かせてる芙原さん。





「──流センパイは、センパイとして──」

「ちょっと待って‥!」

「‥何だよ」

「芙原さんほんとに‥」

「‥?」

「ほんとにそれでいいの‥!?」

「ぇ‥?」

「好きなんでしょ‥!? 服部先輩が好きなんでしょ芙原さんっ‥」





僕じゃ駄目なんだ。





服部先輩じゃなきゃ‥。

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