《MUMEI》

「多分高校だ…そういえば、見てた女子が何人か居たような気がする」

はるちゃんの記憶によると、このプレゼントを貰った時、周りに数人の人が居てその中に女子も居たらしかった。

「分かったよ、あの時見てた子とか、はるちゃんが言ってたそんなカンジの女の子とか探せばいいんだね」

座っていた武の膝から降りると、友達に明日行くからと電話をしてから部屋の引き出しから女子校の制服を出した。

「ちょっと寒いからカーディガンとか合わせよっかな〜?」
「「何で制服持ってんだよ!」」
「え…なんでって…」

俺が引き出しから女子の制服を出すと、はるちゃんと武が同時にこっちを指さして一喝してきた。

「俺がたまに女装して、隣の女子校に行ってたの…知らないの?」

俺は前に知り合った女子仲間と一緒にその制服を着て学校に行ってたり、放課後に街に出て一緒に遊んだりしていた。

その事を言うと、武もはるちゃんも驚いたような顔をして俺を見ていた。

「もうっ、だから女子の制服ぐらい俺が持って無いワケないじゃん」
「いや、そういう事じゃなくってな…」

何を疑問に思ってるのかよく分からなかったけど、二人がマジマジと制服を見てるのをみてピンときた。

「…貰ったんじゃないから!それに…ちょっとだけなんちゃってだし…でも、スカートとかはこの女子校のやつ、本物だよ」
「そう、なのか…ホッとしたぜ」
「そうだよな、リボンが若干違うし、同じチェックだけど柄が微妙に…」
「はるちゃん、胸のリボンの事…そこまで知ってるの…」

違うぞ、そのスカートと柄が若干違うからな…とか言ってもはるちゃんがその女子の”その辺”をよく見てたんだな…って事はよ〜く分かったよ。

だって、男の子だもんね…。

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