《MUMEI》 「おい武…お前んトコって、女子とか居たっけ?男子校じゃね?」 そう聞かれた武は、何だか複雑な顔をしていた。 「…女は居ねぇよ、そういう事だ」 武がそう言うと、周りを囲んでいたみんなが俺をびっくりしたような目で見つめていた。 「…もしかして…男?」 「ぅ…うん///」 そう返事をすると、どこからか伸びてきた誰かの手に胸の辺りを触られた。 「やだっ、くすぐったい///」 「誰だよ、嫌がってんだろ触んじゃねぇよ!」 俺の隣に居たヒゲの人がそう一喝すると、周りに居た人達が一斉に静かになった。 武が桃郷って呼んでたこの人がきっとこの中のリーダーなんだろうな、だって一番背も高くて体格もいいし…。 そしてすっごい……格好いい/// 「…武っ///」 俺はハッとして急いで武の元に駆け寄ってその大きな胸にムギュ〜ッと顔を寄せた。 「怖がらせてゴメンな、かなた」 「……///」 おれ浮気…なんかしてないからね、一瞬…格好いいと思っただけで……俺には武だけなんだからね。 「やっぱ嫌がってるじゃねぇか、そっちの子も離してやれよ」 その大きい人がそう言うと、みんなははるちゃんからも手を離してくれた。 「…ぉ…男の子か〜///可愛いから分からなかったなぁ///」 「可愛いなら男の子でもいいじゃん」 「むしろ男の子の方が///」 「何言ってんだよお前ら〜///」 ようやくみんなが明るい雰囲気になった所で、「じゃあなチビ」と言ってその”桃郷”って人はニコッと笑って俺の頭を撫でてくれてた。 「チビじゃないもん///前に武にも言われたそれ…」と言うと、また更に笑って俺にこっそり”昔の武もチビだった”という事を教えてくれた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |