《MUMEI》

.


……。

…………。

………………なんだアイツらっ!?



「ちょっと待て、コラァ!!」



そこまで叫び、我に返る。

恐る恐る周りを見回した。

予想通りのたくさんの冷たい視線が、わたしへと注がれている。


………まずい。


状況を察して、わたしはスタッと立ち上がり、膝についた砂利をササッとはらった。
それから何事もなかったように、みんなへ優雅にほほ笑みかける。

「教室へ行きましょうよ。ホームルームが始まってしまうわ」

一言のこして、わたしはまた歩き始める。けれどはらわたが煮え繰り返っていたわたしのほほ笑みは、恐ろしいくらい引き攣っていて、頬が痙攣しているのがわかった。

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