《MUMEI》

「ど‥どうしたんだ一体‥!?」

驚いて

振り向くと。

「ほら、あれだよあれっ──」

珠季が

空を示したまま言った。

「‥?」

訳が分からないまま

空を見る。

けど──

特に変わった物がある訳じゃない。

「何も‥ないようだけど‥?」

「ぇ? 良く見てみろよほら──あそこに変な雲浮かんでんだろ?」

「変な雲‥‥‥」

どれだ‥?

あのモクモクとした奴か‥?

「違うってあれだよあれっ」


「‥ぇ」

確かにそれは‥

珠季が言った通り──

変≠ネ雲だった。

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