《MUMEI》
教室にて
.
学年に10クラスもあるというのに、なぜこのバカと同じクラスで、しかも隣の席になってしまうのだろう……。


ざわざわと騒がしい教室の中で、わたしと彼だけが机をくっつけていた。もちろん彼が勝手に寄せてきたのだ。

他の生徒たちも、わたしたちを不思議そうに見つめているのがわかる。先程の『レースの水色』という意味不明なワードも、追い風になっているのかもしれない。


……まずい。
ものすごく、まずい。


このままでは、わたしのイメージを損なうだけでなく、このアホ男とあらぬ誤解をされかねない。

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