《MUMEI》 思わず── 笑ってしまっていた。 おかしくて。 「随分と変わったヒツジだな──」 「なっ‥、あれヤギだろ?」 「ヤギはあんなに丸々としていないよ」 「は? どー見てもあれヒツジにゃ見えねーだろ?」 「あれはヒツジだ。大体──ヤギならもっと角がだな──」 「ぁ"〜ッうっせーなぁもォ‥」 珠季のその台詞で 僕らの会話は一時中断になった。 ただ お互いに笑ってしまって会話にならなくなったというだけ── なんだけどね。 とにかく── これ以上無いという位 僕らは笑った。 お腹が捩れるんじゃないかって位に。 ぃゃ── 本当に。 僕も珠季も── 笑いっ放しだった。 前へ |次へ |
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