《MUMEI》

だけどそれは、

君の本心じゃない。





もちろん‥

もうどうしようもないって分かってる。





でも‥

僕は何かするべきだったんだ。





君が先輩を好きだって知ってたのに‥

僕は何も出来なかった。





無意識に‥

先輩をライバル視してたのかも知れない。





「──おい」





後ろから、

声。





「何で逃げんだ」

「逃げてないよ」

「さっきまだあたしが話してたのに逃げたろ」

「君がいきなり言うから‥!」





自分でも、

ビックリした。





今まで‥

怒る事なんてほとんどなかったのに。





「‥いー加減にしろよ」

「‥ぇ」

「何だってオマエはそーなんだっ」

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