《MUMEI》

教室が、

ざわめく。





「‥おい、アイツ何キレてんだ‥?」

「告られたのに拒否られたらしーよー‥?」

「ぇ‥ウッソォ」

「じゃあ別に本命がいるって事‥?」

「ぅわ、サイテー」





あちこちから、

色んな声が聞こえてくる。





僕は‥

何も言い返せない。





他に好きな人なんていないし‥

芙原さんを嫌いになった訳でもない。





‥だけど‥。





駄目なんだ。





「おいどこ行くんだよっ」

「放してよ‥!」





また、

ざわめく。





‥教室中が。

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