《MUMEI》

「──んー‥落ちて来ねーな」

「珠季‥もう諦めた方がいいんじゃないか‥?」

「は? 何でだよ」

「何もそこまで拘らなくてもいいだろう?」

「オマエそーゆーとこ大雑把なのな──」

「君はそういう所は几帳面なんだな──」

「──ぷっ」

「フ‥」

ほぼ同時に

僕らはまた笑い出した。

蝉の声よりも

煩い位に。

「はー、おっかし──」

ようやく笑いが納まった珠季。

「つーかオマエ笑い過ぎ」

「君だって言えないと思うよ?」

「もォ‥あー言えばこー言う‥」

「まぁまぁ」

「オマエが言うかよ」

「フ‥、もう大丈夫そうだね」

「んぁ‥?」

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