《MUMEI》

「珠季ッ‥!?」

サッカーでもやるつもりか‥?

「よっ──」

丁度

サッカーボールでやるように

器用に空き缶を操る珠季。

「おい、突っ立ってねーであっちでスタンバイしてな?」

「‥ぇ」

まさか──

それを使ってサッカーを‥?

「負けたら後でアイスおごりなっ」

「!?」

何だその賭けは‥!?

というか‥

僕にアイスを奢らせるつもりか‥?

「何だよ、自信ねーのか?」

「そッ‥そんな事‥‥‥。あまり見くびるなよ‥? 後悔する事になるから」

「後悔すんのはオマエだろ?」


「なッ‥」

「よーしじゃあ行くぞー」

珠季が

また空き缶を蹴り上げた。

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