《MUMEI》
終章4 それぞれの幸せ【光喜side】
──昼休みの図書室。





「藤澤先輩」





僕が声をかけると、

カウンターで読書カードの整理をしてた藤澤先輩が顔を上げた。





「桐生君──」

「図書委員だったんですね──」

「うん。‥ぁ」

「?」

「──緋色ちゃんとは──」

「はい、仲良くやってます」





僕が答えたら、

藤澤先輩は安心したみたいにニッコリ笑った。





「良かった──」

「藤澤先輩はどうですか?」

「──うん」





幸せそうな、

笑顔。





──それぞれの幸せを。

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