《MUMEI》

丸いテーブルを挟んで

2人でアイスクリームを食べていた。

暫くお互いに無言だったんだけど──

「なぁ」

「ん‥?」

「オマエスプーンで食べんのな」

「何か変か?」

「ぃゃ──マメだなって」

「カップのアイスクリームに慣れてしまっているものだから──」

「ふーん?」

「だからつい、ね」

「食べにくくねーの‥? つーか垂れてきてんぞ」

「!!」

まずい‥。

「早いな‥溶けるのが‥」

「オマエが遅いんだって‥」

呆れ半分の珠季。

「食い終わる前に溶けちまうぞ‥?」

「大丈夫──何とかするさ」

でも‥

やっぱりこの方法は食べにくいかも知れないな‥。

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