《MUMEI》
《金のタマゴ》
.

……さて。

そんなことより!!


わたしはこっそりクラスを見回し、ターゲットを探しはじめた。もちろん、玉の輿の相手を。



ここにいるのは、金のタマゴよ。


どれを選んでもハズレなし。
内部生なら無条件で大当り。親のスネかじって、一生遊んで暮らせるわ。

外部生でも、将来プロスポーツ選手とか医者とか、金持ちになる要素はじゅうぶんあるものね。


さぁて、どいつにしようか…。



ギラギラと目を見開いていると、また、肩をつつかれた。相手は、言わずもがな、義仲だった。

「その目、ヤバイよ。イッちゃってるし」

わたしは義仲を、一度、ギロリと睨みつけてから、ふたたびタマゴ探しをはじめた。



………そうね。

大人しそうで、気がよわそうで、わたしの言いなりになるようなヤツ。

出来れば、背が高くて、顔が良くて……。



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